OGU面冠者
1997.1.13
名古屋グランパスエイト 小倉隆史選手 応援HOMEPAGE
其の32
異なる意見の存在を認め合う…
グランパス・サポーター同志ならできるはず!!

おぐめんかじゃ
OGU面冠者
の文面は、マスメディア・電話・NIFTY-Serve
などで得た情報に基づき、知内勢護の豊かなる創造(想像)力を駆使して、
擬似的に小倉隆史選手の言葉に置き換えてつくられております。よって、
小倉隆史選手本人の気持ちを的確に表現しているとは限りません(当たり前)。
今年一発目の「OGU面冠者」は、1997年1月9日〜11日の、
Aさん・Bさん・そして私のメールのやりとりの内容を紹介させていただきます。
これは、冠者31「○○われたOGU!?」
の続編です。また、この続きは
冠者42「歴史を創るサポーター」です。

A◆紫色の文字は、Aさんのメールからの引用です。
B●青緑色の文字は、Bさんのメールからの引用です。

 

B● 私はゴール裏での観戦が最も好きです。
 ゴール前の迫力あるシーンが目の前で見れますし、サイドへの展開も良く分かるので全体の流れも良く分かります。
 また、家の奥さんは、何より伊藤選手が近くで見られるからゴール裏が好きです…。

A◆ どこのスタジアムで見てるのか知らないですが陸上競技場では遠いと思いますけど。
 またサイドへの展開は分かるでしょうけどサッカーは相手のゴールにボールを入れる競技で、横に動く競技ではないので私は見難いと思います。

B● Aさんの意見「試合が見たいならゴール裏は見難い」という意見は、私にとってはまったく逆で、最も試合が見やすく、最も楽しめる席がゴール裏です。
 Aさんは、そんな試合の見難いところでサッカーを観戦して面白いのでしょうか?

A◆ 私は観戦しに行っているのではなく、応援しに行っているんです。少なくともグランパスの試合は。
 行き過ぎで指定席を買う金が無いのも理由の1つですが...。

B● あと、「子供がちょろちょろしていて危ない」という意見に対して、危なくしているのはあなた達だということを認識してもらいたいと思います。

A◆ おっしゃる通りです。
 でも、いつも誰かが暴れている訳でも無いし、あくまでも暴れに行っている訳では無いです。

B● ゴール裏は、ほとんどみんな立って見ている訳ですから、子供がちょろちょろしても観戦に邪魔にはならないし、普通に応援をするだけなら、子供を危険にさらすことは無いはずです。

A◆ 誰も観戦の邪魔になるとは言ってないですし、子供の方の心配をしているのですが。
 暴れる人間がいなくても、人混みで子供を放っておくのはどうでしょうか?


B● 知内さん、外国のサポーターの理想的な応援スタイルって何でしょうか?

 私の理想ではなく、Aさんが理想とする応援スタイルのことを指しています。
A◆ 私としては、いつかTVで見たセリエAの、ホームチームがゴールを決めた瞬間にスタジアムにいる人間全部(アウェーサポーターを除く)が一斉に立ち上がるシーンが理想なんですけど(それぐらい観客が試合に集中している状況が)。

B● 今の日本の状況でもこれに近いような気がしますが…。
 ゴールのときは指定席でも、みんな立ち上がって喜んでいたような気がしましたが?
 5試合ぐらいしか見に行ったことが無いので何とも言えませんが…。

A◆ 私が見る限りそうは思えないんですが...。
 確かにみんな立ちますけど一斉にという感じではなく、試合ではなく周りの人間が立つのを見てからという感じです。
 あくまで私の意見ですけど。

B● 私はゴール裏でみんなと声を合わせて応援するのは好きですが、自然発生で声があったとき以外は、そんな状態では無いのに、わざわざみんなで同じ応援をするのは不気味だと思います。

A◆ ゴール裏にいる我々もそう思っていたんです。
 でも自然発生の声が合うほどJリーグの観客はサッカーを知らないと思いますが(私も含めて)。

B● 知らない人が、どうして他の観客が知らないと分かるんですか?また、合わないものを合わせる必要もないと思います。
 中には「ピクシー」と叫んでいる人がいてもいいんじゃないですか?その人はピクシーの華麗なプレイが見たくてきているんだろうし…。

 「サッカーを知らない人」とは、私のようなヤツのことだと思います。
 そういう意味で、私は邪魔な観客なのかもしれません。
 幸い、チケットさえ買えばゴール裏でも観ることができます。
 例えばサポーターになるのに「免許」が必要だとしたら、私は間違いなく試験に落ちています。
 邪魔者扱いされる正当な理由があると、私は思います。「知らない」んですから。申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 「知らない奴に応援なんかされたくない!」って言われれば、それまでです。
 Aさんは、そういった「差別」をする人ではありません。また、「ゴール裏ではそういった暗黙の差別がある」という私の「誤解(思い込み)」を取り除いて下さった「恩人」です。
B● 「Jリーグの観客はサッカーを知らない」という考えは悲観的過ぎると思います。
 また、サッカーを知っている必要も無いと思います。
 サッカーはちょっとぐらいサッカーのことを知らなくても、観客全てが、評論家や監督になれるすばらしいスポーツです。
 「声が合う」の返事にはなっていませんが、自然にみんなが喜びを分かち合って、適当にバラバラに声を合わせて、ちょっとバラバラに立ち上がるぐらいでいいんじゃないんですか。
 わたしは日本のサッカーファンは、世界で一番素敵だと思います。また、多分世界で一番サッカーに詳しいとも思っています(なんせ頭でっかちですから)。

A◆ 一応ゲームの流れを考えて声を出しているつもりなんです。
 だからアイドルの様に選手を呼ぶ声は嫌いです。
 不気味なんて言われると余りいい気はしませんね。私も必死に応援してるつもりなので。

B● 自己満足のために必死にやっている、ということでしょうか?

 Aさん達は、自己満足するため、チームが勝つよう、必死に応援しているのだと思います。
 勝ちにこだわるという意味では、AさんはBさんと「同じ」です。
 考え方や、表現形態が異なるだけです。
 私のような応援の仕方では、チームの勝利に貢献することはできません。
 また、私の「勝利へのこだわり」は、言葉で表現して、万人に理解してもらえるようなシロモノではないので、AさんやBさんが私のことをどうとらえようと、気にしません。
 知識としてかなり不足しているのは確かなので、「勉強」の最中です。
 私は現在まで4試合観戦して、3勝1敗。自由席3試合は、全て勝っている。
 「一体感」は、感動です。その先頭に立っている方には、感謝しております。だからこそ、してはいけないことは、して欲しくない…。
B● 私がゴール裏で見たのは2回ですが、S指定よりも見やすく、楽しかったです。
 この楽しさにゴール裏の一体感が影響していることも認めます。そういう意味では先頭になっている方には感謝しています。


 私の理想は、まだ明確になっておりません。「どっちつかず」状態です。
 熱心に応援されている方の意見をうかがってみると、盛り上がり方が「足りない」ような気もします。
B● 盛り上がりが必要なのは、本当にチームのためなんでしょうか?
 応援している方の自己満足なんじゃ無いでしょうか?

 その通りです。少なくとも私は「自己満足」するために観戦します。
 あらゆる意味で、楽しみたいから、観に行って応援します。
 「チームのため」、つまり勝利するために、などと大きいことを言える立場ではありません。
 盛り上がりの度合いも、どこまでが理想的な応援で、どこ以上が「過ぎたるは及ばざるが如し」か、判りません。
 熱くなると、人間は盲目になりますから。
B● 私の理想とするサッカーについてですが、あまりはっきりしてはいませんが、見ていて楽しいワクワクするサッカーです。
 その点では知内さんに近いと思いますが、決定的に違うところはグランパスが勝たなくては、どんなにワクワクしてもダメというところでしょうか。
 グランパスが攻め続けて、4、5点とって勝つサッカーが理想です(点は取られなくてもグランパスが攻められていること自体が嫌いです)。
 サッカー観戦に関しては、特にスタジアムに行かなくてもよくて、テレビ放送をビデオにとって、良いシーンを何度も何度も見るのが好きです。
 ただ家庭の事情(子供がまだ小さい、妻が妊娠中)でスタジアムに行けない人間のひがみでもあります。本当はスタジアムにいって生で観戦し、家で録画しておいたビデオを何 度も見るというのが理想的です。
 子供がもう少し大きくなってサッカーが分かるようになったら、家族でスタジアムに行きたいので日本のサッカーはいつまでも、女、子供の行けるところでないと困ります。
 個人的には、ヨーロッパの上面の良いところだけ見習って、悪いところは輸入しないというのは難しいと思っています。
 私がいいなと思うのは、アメリカのベースボールやフットボール、バスケなどの球技場のイメージってところでしょうか。実際はどうか分かりませんがテレビで見る限り良い雰囲気ですね。
 あと関係ないですが、サッカーもクォーター制にしたほうがより面白くなるんじゃないかとも思ってます。
 ヨーロッパでは、スタジアムで死人が出ますし、火事も起きます。選手がサポーターにラウンディングニールキックを見舞います。

 勢いづくのは結構だけど、死人や火事は困ります。
 「熱くなったら何でもあり」ではいけません。
 Aさんも、そんな過激なゴール裏は「理想」ではないと思います。
A◆ 死人や火事を起こすために行く訳ないです。
 確かにサポーターに暴力を振るう選手は悪いですが、でもそれだけ選手がサポーターを意識しているのは羨ましくないですか?
 日本の選手はそれほどサポーターを意識してくれてはいないと思いますが。

B● 私は、こんな女性や子供が行けないようなスタジアムが理想だとは思いません。
 世界で唯一、女、子供が安心して観戦できる日本のサッカー事情はすばらしいと思います。
 デュリックスはフランス(ヨーロッパ)のそういったサッカーが嫌でたまらなかった。日本のサポーターはすばらしいと言っています。
 奇跡的にも、女性が、アイドルを呼ぶように選手の名前を連呼したり、子供がゴール裏をちょろちょろできる今の状況は、それなりにすばらしいことではないんでしょうか?

A◆ 私はいやです。あくまでも個人的な意見ですけど。

B● 私個人としては、サポーターが判定を覆せる勢いというのは、ヨーロッパ的な暴力的な勢いだと思っています。

A◆ そうならないように応援したいと思っております。

B● その点、駒場も鹿島も判定を覆せる勢いとは違うと思います。
 TVでしか見たことがないので何とも言えませんが、少なくとも審判の判定はおかしくなってはいないと思います(これはTVの方がわかりやすい)。
 サッカーの見方に、何が正しくて、何が間違っているなんてないんですよね。
 私は元々人の観戦のしかたを批判するつもりはありませんし、批判をしたいと思ったこともありません。
 批判する(される)こと自体が嫌いですから、人が批判している姿を見ることに嫌悪感を覚えるのです(こういう時に限って、私は批判魔に生まれ変わるというちょっとひねくれた性格の持ち主です)。

私は、きちんとした形で「議論」するのが好きです。
 批判されたら、批判し返せばいいと思っています。
 議論を逃げていたら、人間は判り合えないと信じています。
 そうやって自分の本音をぶつけることによって、私は(今ある大切な)友を手に入れ、(私に不要な)友を失ってきました。
 相手に、自分の気持ちを「言葉」で伝えるのは、とても困難なことだと思います。
 「応援」というひとつの単語が、使う人によって微妙に意味合いが変わってきますよね。いや、微妙ではなく、時として「全然」違ってくる…。
 議論が白熱してくると、そういう部分で「誤解」が生じ、思いも寄らない、相手を傷付けるような表現が飛び出す。
 Bさんは、グランパスの選手一人ひとりの長所・短所を分析できる人です。グランパスへの思いが込められたBさんの書いた文章を読むと、とても勉強になります。
 (正確には、私が勉強したと思い込んでいるだけ、かも…。)
 Bさんも、私にとっては「恩人」です。
B● 私が言いたかったのは、個人的な判断基準や一部の人たちの判断基準でなくて、世間一般の判断基準で考えて、他人に迷惑をかけるような応援方法でなければ、誰がどんな目的で、どこで観戦しようが、お金を支払ったお客の自由ではないのですか?ゴール裏は応援するための場所で観戦する場所でないというのは誰が決めたのですか?ということです。
 私が、不気味だとか汚い言葉でした批判に対してAさんは当然、いい思いをしなかったことでしょう。申し訳ありません。
 わたしはAさん達がお金を支払って自由に応援していることについて批判しました。これはやっぱりいけないことです。
 Aさん達は、他の人たちの自由についても認めて欲しいと思います。

A◆ 別に他の意見を排除するつもりはないです。
 ただ、あの場所にいると色々な幻を見てしまうんですね。よその国が気になってしまって。
 (セリエAが観たいだけでWOWOWに加入した人間ですので。)
 ある意味、去年の元日がベストだったと思うんですが、もっと、もっとと際限無くなっているのが本音です。
 ホントに文章を書くというのは難しいですね。
 この会話をオフラインでやったら、結果はまた違う物になると思いますが。


B● 等々力の試合についてですが、試合の内容が悪かったといっても、あの試合は選手みんなが勝ちたかった(勝つように一生懸命がんばった)はずです。
 優勝を争うあの段階にきて選手がいいかげんにプレイすると思っているんですか?(ピクシーもですよ)

A◆ 彼も人間ですから「腹を立てるな」とは言いませんが、あれは川崎の常套手段でしょう。
 次の鹿島戦のためにわざわざユーゴの協会に頼んでまで帰国を延期した彼が、あれをやったからこそ腹を立てたんです。

B● そんな、一生懸命に戦った選手たちに、罵声を浴びせたり、バスの前に飛び出したりすることは、最低の行為に値すると思います。
 アイドルを呼ぶように選手の名前を連呼する方がよっぽどましです。

A◆ 一生懸命戦った選手に対して罵声を浴びせたことはありません。
 それに私はあの行為を肯定したつもりはありません。
 でもそれくらい一生懸命応援しているんです。

B● 私は選手が一生懸命戦って結果として負けてしまった場合、選手を批判する気持ちにはなれませんし、批判するのを見るのも好きではありません。
 ピクシーの試合中に行った行為には、当然腹を立てますが、彼が手を抜いたプレーをすることの方がもっと腹立たしいと思います。
 ピクシーは当然後悔しているでしょうし、あの行為は、彼が手を抜かずに全力でプレーしていたために起こってしまったものだと好意的に受け取ってもらえないでしょうか。

 バス飛び出しは私も「いけない」とは思いますが…好きだから、悪口言いたくなる気持ちは 、判ります。それを「するな」とは、私は言えません。
 だから「おつかれ!!」は、ある意味で「すごいな」って思ったんです。
B● このひとことを言った人はすばらしいと思います。
 私もその場にいたら、このように言えるようなサポータになりたいと思います。


B● 小倉隆史が軽蔑の笑いを浮かべても文句は言えないではないですか?

 これが本当に「軽蔑」かどうか、判らないんですよ。
 私は現場にいましたが、笑ったOGUを見ていません。
 本当に軽蔑の笑みを浮かべて、Aさんの仲間に嫌われたのならいいのですが、全く別の意味の笑顔が「勘違い」されているとしたら…。
 今となっては、確認のしようがありませんが。
 些細なことかもしれませんが、OGUファンとしては気になります。
 軽蔑だったとしても、それでOGUを嫌いになる訳ではありませんが、ただ「真実」が欲しい…「本音」を知りたい。それだけです。
 (「軽蔑」だったとしても、私はOGUの味方をしてしまうような気がする。事実関係がはっきりしないので、コメントのしようがない…。)
B● この時のOGUの笑みの真相は、その場でOGUの笑いを見た人(Aさんの仲間)も解っていないはずです。
 例えば外の状況に気づいていなくて、隣の選手のギャグに笑っただけかもしれません。
 それなのにOGUのことを嫌いになるなんて私には理解できません。

A◆ あの状況で笑っていられる選手の方が理解できませんがね。
 少なくとも他の選手は笑ってはいなかったそうです。
 私も小倉は好きなので悪く言いたくはないですが。

B● 状況が分かりませんので何ともいえません。
 しかし、当事者の方たちも小倉の笑いの理由は分かっていないはずです。
 両極端な例(軽蔑とギャグ)をあげてしまい、私の言いたいことが分かりづらかったと思いますが、わたしは小倉が軽蔑の笑いを浮かべていたんだとしても、Aさんの友人がそれに見合った行為をしたのだからしょうがないと思いますし、ギャグで笑っていたなら全く関係ないことですし、その程度のことでAさんの友人達が小倉を嫌って欲しくないということです。
 当日のバスの中は、試合に負け、優勝の文字がはるか遠くにいってしまい、さらにピクシーがまたやってしまったということで、ほとんど「お通夜状態」だったと聞きます(浅野がテレビか新聞で言っていました)。
 そんなみんながシュンとしてしまった状況で、「まだ優勝が消えた訳ではない」と明るく振る舞っている小倉がいたと私は思いたいです。
 彼はそういう性格ですので。


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