1995.11.25
名古屋グランパスエイト 小倉隆史選手 応援HOMEPAGE
虞麗偉徒
第70号

ミニコミ誌『虞麗偉徒』第70号より一部抜粋

瑞穂観戦
旧練習場・日進グラウンド

 1995年10月24日〜11月3日、北海道と名古屋、メチャクチャ最高な旅行をしてまいったでござる!

 北海道は、まず食べ物。登別のDECOY(デコイ)というお店。…夜、登別の街は死んでいた。おなかが空いている…店は《CLOSE》だらけ。結局駅前の軽食喫茶で済ませようということに(本意ではなかったが)。が、「《ごはんもの》はありません!」で敢えなく撤退。ここで教えてくれたのが、この店DECOY(デコイ)。コレがビックリ!超超超大当たり!これだから旅はやめられへん!…カレー屋さんなんだけど、カレー以外にもビーフシチュー(バター味が凄い!)やスパゲッティ、トースト(生クリームとジャムを付けて…感動!)、ウィンナーコーヒー…とにかく何もかもが激ウマ。

 いっっっちばん、感動モンだったのが、帯広・六花亭のサクサクパイ。ウンンンンマーイ!!!でも、持って帰れない…。三時間以内に食べないと、パイが水分吸ってサクサク感がなくなっちゃうんだって…ここでしか味わえない、幻の菓子!!

 池田駅前のレストランよねくら。バナナ饅頭のお店。ここはもう何度も訪れていて、行く度に頼むのが、チーズじゃがグラタン。ちなみにこの店の、愛想の良い名物ねーちゃん(勝手に拙者が名物扱いしている)のファンでござる、拙者…。

 すすき野のパチャママ。フローズンカルーアミルクに激烈感動!店の雰囲気は、恋人同士向き…だが、(坂巻はぎえお気に入りの)店員のお兄ちゃん二人が愛想ベリーGOODで居心地良かった(この店を出た後、UFOプッシャーで景品取りまくり!※UFOキャッチャーとは異なる)。

 他、登別の温泉にあったプールで深夜、生まれたままの姿で泳いだり、深名線廃止跡、朱鞠内湖さわやかトイレ等等…。

 好きな場所がまた増えた。惚れ込んだ場所には、何度でも行く。変わらずに前と同じだと、安心する。でも、悲しい位にガラッと変貌してしまうこともある…。拙者の場合、旅行っていうよりは、《調査》《確認》《探検》に近いかもしれない…。ガイドブックには載っていない、《自分だけの場所》を求めて。

 トワイライトエクスプレスで北海道とおさらば。拙者と坂巻親子(坂巻はぎえ坂巻大志)の三人は名古屋へ…。

 名古屋は、素通りは何度かしているけど、きちんと観て回るのは初めて。最大の目的は…名古屋グランパスエイト対清水エスパルス戦を観ること。しかーし…チケットはないのでござる…。

 ホテルにチェックイン。荷物を置いて、近くのコンビニへ行き、地図を拡げる。次の日、名古屋の練習を観に行きたいから…でも、日進グラウンドの場所がどーしても判らない…。

 結局、地図上で見当たらず、クラブグランパスへ行って聞いてみることにした。

 …聞くまでもなかった。日進グラウンドへの行き方が貼ってあるじゃないか…「練習を観に来ませんか?選手の素顔が…」なーんて。この時、小倉隆史の卓上カレンダー購入。

 さあ、いよいよ瑞穂陸上競技場へ。繰り返すが、チケットは…持っていない。ないのに、我々は向かう…。

 選択肢は、ふたつしかない。帰ってホテルのテレビで試合を観るか、チケットを手に入れてここで試合を観るか…。

 恐かった。ダフ屋の人がウロウロしている…。「もういい…帰ろう!」そんな弱音を吐きつつも、足は尚も確実に《戦場》へと向かっていた。

 座り込んで、暫く入場する人達を眺めていた。ダフ屋と取り引きする場面も目撃…。決断しなければならない…。

 何のために、わざわざ名古屋までやって来たんだ?きしめん?味噌カツ?天むす?…どれでもない…。

 勇気が沢山必要だった。名古屋に来たからにはホームゲームを観たい!川崎市民であるが故にそうやたらめったらにチャンスはない!…限られたチャンスを活かせ!

「す…すみません…チケットありますか?…自由席」

「あるよー」

「い…いくらですか?」

「イチマンエン」

「!!!」目が飛び出そうになった。えー…ちょっと高すぎるぅ…と半ば諦めかけた時…

「七千円に負けよう!」

 拙者は更に渋る。遂に、

「じゃあ…六千円!」

 下がってきたゾ!売りたがっている。…チケットの定価が拙者の目に飛び込んできた。二四〇〇円…。

「あ、あのー…二枚で六千円で…」

「あーん?」

 ヤ、ヤバイ!間違ってしまった!…怒らせてしまった…「二枚で、一万円で…」ドキドキドキドキ…鼓動が高ぶる。

「しょーがないなー…」

 契約成立!

 このダフ屋さん、仲間に愚痴ってた…「二枚で一万円だってよ…ったく」

 手が震えていた。涙がこぼれてきた。…よし、これで…中に入れる!

 試合まで一時間以上ある。寒い…。ビールを飲んで体温とモチベーションを高める。三〇〇ミリの望遠レンズ付一眼レフを準備。撮影よりも、望遠鏡として役に立った。

 試合が始まる。初心者なもんで、周りに倣って応援する。

 覚えているのは、「今イエロー、誰?」って拙者が言ったら、後ろから「飯島!」…ありがとうでござーる!…女性の方。「ピクシー!」「オグー!」「オフサイド!」なんて拙者に教えてくれたりして…(当然ながら、彼女は拙者に教えるつもりで叫んでいた訳ではない…)。

 …ちなみに、拙者よりも坂巻母(坂巻はぎえ)の方が興奮してた。拙者には多少「照れ」があった。でも大声には自信があり、拙者の「ナーゴーヤー、ナーゴーヤー…」に明らかにつられて後ろの方から声が追いかけてくると、「俺も盛り上げるのに一役買っているのかな?」なんて…。

 前半、清水に先制される。「今日は詰めが甘いなー…」なんて思っていたら、後半…浅野が同点ゴール!みんな立ち上がって喜ぶ喜ぶ!「あー、これがサポーターの歓声なんだね!」

 続けて、な、な、何と…小倉が逆転ゴール!跳び上がって喜ぶオグ…サポーターも一気に活気付く。…この瞬間、拙者の勇気は報われた気がしたのでござる。

 名古屋は勝った。電光掲示板に「2位浮上」の文字…。

 とても気になったのは、ゴミ。これはおそらく名古屋グランパスエイトのサポーターだけの問題じゃあないような気がする…。自分で飲み食いして散らかしたものを、どうしてそのまま平気で置いて帰れるの?当たり前のことでしょ?そりゃ、後で片付けする人はいるんだろうけど、恥ずかしくないのかなぁ…。

 個人的に拙者は、タバコやゴミをきちんと始末しない人と、赤の外車に乗る男が嫌いだ(赤い車が嫌いなの!)。後者はともかく、前者は人間のクズだと思う。おめぇらこそ地球から投げ棄てられるべきだ。さもなくば、死をもって償え!(冗談じゃなくて、マジでそう思う。)

 サポーターである以前に、我々は人間である。まず人間として、当たり前の、最低限のルールを守っていただきたい。他チームのサポーターに先駆けてまず、我々が実践しようではないか。「名古屋のサポーターが帰ったあとはゴミがない!」と言われるようになりたい。そしてゆくゆくは、「サッカーの試合のあとはゴミがない!」と…(何度も繰り返すけど、本来当たり前のことなんだから!)。スタンドを真っ赤に埋め尽くすことよりも先にやること、まだまだあるんじゃないかなぁ…。(付け加え…禁煙も是非、守っていただきたい!)

 翌日、坂巻親子と別行動。拙者は少し早起きして、小説『閉ざされたノンフィクション〜秘密の封印〜』の舞台、鈴鹿市白子へ向かう。

 行ったこともないのに小説の舞台にしてしまった理由は単純明快、準主役の黒岩隆のモデル・小倉隆史が生まれ育ったところだったから。拙者の乏しーい想像(創造)力で街並みを構築。現実は…いきなり駅前にファミリーマートがあったのには笑ってしまった。小説の中に出てくるコンビニ「ハリミーマート」は駅からもう少し離れた所でないと…。

 ファミリーマート白子駅前店の売上に貢献…関東では売ってない「しぐれ」というおにぎりをかじりながら、ブラブラする。地理的に考えて海があるはずだ!と思い、海へ向かう。途中、塀に「白子小学校バザーのお知らせ」のポスターを見掛ける。そう言えば、小倉は白子小学校出身…そうか、この近くにあるんだ…。

 「白子のり」ってもしかして…。ここ、海産物が採れるんだー…。港には船が停泊している。…小説のイメージづくりのため、写真撮影。

 更に歩き続けると、白子港緑地という場所へ。砂浜にも出会えた。…こういう場所、好きなんだよなー…。のーんびりと、海面のキラキラを眺めて…。(あの小説の舞台って、こんなに素敵な場所だったんだねー…使わせてもらおう!)ここら辺って犬を飼っている人が凄く多くて(余所者がこの白子の街を歩くと吠えられる?私は吠えられた)、ここは散歩コースにうってつけのよう。

 小説の中で、「超」が複数付く位の方向ウンチが登場するが、ここは彼らでも道に迷うことはない。何故なら、電車の音が聞こえる方向に歩いていけば、線路に行き着くことができるから…。ま、『閉ざされたノンフィクション〜秘密の封印〜』は《フィクション》であり、登場する人物・団体名・地名・設定等は全て架空だから…と逃げてしまえ!

 駅へ向かう途中、偶然にも白子小学校らしき建物を見掛ける。校門を探しながら小学校の周りをグルグル歩いている途中、「鈴鹿市住居表示案内図」というものに出くわす。このどこか(と言うか、ここのすぐ近所)に、小倉の実家(=黒岩隆の邸宅)があるはず…。

 名古屋へ引き返し、地下鉄に乗り換えて日進駅へ。なーんだ、日進グラウンドは駅のすぐそばじゃないか。…少し早く来過ぎたのか(約四〇分前)、あまり人は集まっていない。…というか、寂しい…。昨日の盛り上がりは何だったのか?練習まで観たい!というサポーターは少ないのか?…ちなみにこの日は前日に引き続き、とぉーっっっても寒かったのでござる。

 徐々に選手がグラウンドに登場し始める。目前!すぐそこに!これは感動だぁー!それまでテレビや雑誌でしか見たことのなかったモノホンが、すぐそこで動いているんでござるよ!

 確かに、そこには素顔があった。ジョギング最中、ふざけて他の選手にボン!と体当たりする小倉…練習というよりは、お遊びに近いものがあった(選手同士、じゃれ合っていた)。

 試合の翌日は、ストレッチとランニング程度しかやらないのであろうか…なーんて考えていたら、非常事態!急展開!小倉平野と大岩の《仲良しトリオ》(DA.YO.NE.?)が見物人のすぐ近くまでやって来たのでござーる!…彼等のお目当ては…猿!サル!モンキー!…。拙者は写真をドアップで撮りまくる。

 小倉が猿と戯れた後、サインの嵐。ストイコビッチとデュリックスと谷口はもらい損ねたが、浅野・中西・飯島・平山・岡山・大岩・伊藤とたて続けにGET!北海道旅行中ずーっと持ち歩いて、あちこちの記念撮影でも活躍したグランパスの旗が、七人の選手のサインで埋め尽くされることになろうとは…。プラス、前日購入しておいた小倉の卓上カレンダーにもサインしてもらったのでござーる!(拙者が書いてもらったのは浅野だけで、他は全て坂巻はぎえのお手柄。で、彼女が一番ラブラブファイヤーになっちゃったのが、飯島寿久選手。「俺さっきも百枚位サイン書いて来たんだ!」という明るさに惹かれた様子…。逆に、「小倉はサインを書く時、ブスッとしていた」とも。確かに、平野&大岩&猿とはあんなにはしゃいでいたのに、一転してファンに対しては…という気はしたが、サインしてくれるだけでありがたい!と拙者は思う。大志小倉をはじめ多数の選手と握手&頭ナデナデ。小倉と「(カレンダーに)グランパス君描いて!」「描けないよ!」という会話もしたらしい…。)

 サインってこんなに簡単にもらえるもんなんだねー…なんていう考えが覆されたのが、翌日。我々は再び日進グラウンドへ。ちなみにこの日はやや暖かく、祝日(文化の日)で見物人は前日の五倍以上はいたんじゃないかな?とにかく凄く多くて、しかも試合前日。

 練習もミニゲームや、コーナーキックからゴール前でのシュートの特訓など、本格的。前日のようなおふざけは姿を消し、緊張感が漂う。

 練習が終わっても選手はソソクサと帰っちゃう。「昨日と違う!」…○○さーん!って声を掛けても無視か、手を振ってくれるだけ…殆どノーサインの中、最初に我々の熱望に応えてくれたのが、石川。次いでデュリックス。この日は、自分の手でGET!クラブグランパスで新たに購入した、別バージョンの旗に!

 十一月二日・三日のファンサービスMVPは、岡山哲也選手に決定!二日、ケガのため別メニューで黙々とランニング。サインも書きに来てくれた。三日、やはり別メニューのランニング後、暗くなって他の選手が引き揚げてもリフティングを続ける。感動的だったのがその後。大勢の見物人にサイン!サイン!サイン!…結婚間近か?恋人らしき女性を横に、サイン!サイン!サイン!拙者の新しい旗にも書いてくれたのでござる!(この時、殆どの人がもらえたんじゃないかな?…頭が下がる思いでござる)。

 名古屋での収穫…一日=小倉隆史選手卓上カレンダー購入/ダフ屋から自由席のチケットを購入し、J初観戦(浅野哲也・小倉隆史両選手のゴールで清水エスパルスに勝利)

 二日=小倉隆史選手が生まれ育った鈴鹿市白子へ/旅行中持参した旗に、浅野哲也・飯島寿久・伊藤裕二・大岩剛・岡山哲也・中西哲生・平山大の各選手のサイン/前日購入した小倉隆史のカレンダーに、同選手のサイン/貴重な写真多数撮影

 三日=名古屋グランパスエイトのカレンダー(モノクロ限定版)購入/エンブレム入りトレーナー購入/この日購入した新しい旗に、石川研・岡山哲也・デュリックスの各選手のサイン/その他グッズ購入

 ちなみに北海道・苫小牧のUFOプッシャーで、小倉隆史選手クリソツ「密林の王様ゴリポンズ」のぬいぐるみを二つGET!

 …上記の収穫の一部(サイン旗二つサインカレンダー・トレーナー・ゴリポンズ等)と、グラン賞賞品小倉選手サイン入りボールは、十一月五日のカラオケ大会の記念撮影で大いに活用され、拙者の1996年年賀状に採用されることが決定!

 最後に、サインをGETする極意を伝授。

 試合の翌日が良し。勝った翌日なら尚良し。試合の前日は、まずもらえないであろうと考えておけば、もらえた時の喜びが大きい。

 気温は低い方が良し(寒いのによく観に来てくれた…という念にかられてついついサインしてくれちゃう?)。天気で左右されるかどうかは不明。

 見物人は、少ないほうが良し。

 休日(日曜・祝祭日)よりも、平日が良し。

 岡山哲也選手とデュリックス選手は、比較的書いてもらえる確率が高い(二日間共書いてくれたのはこの二選手のみなので…)と考えて良し?

 男より女が良し。女より子供が良し(この点は是非選手自身に訊きたい。「男女子供で差別していますか?」と。してない!って言うだろうけど…)。

 事前に、選手の顔と名前を一致させるが礼儀(ちなみに坂巻はぎえ小倉選手しか…)。誰だか判らないけど取り敢えずもらっておこう!というのは失礼(なんだけど、拙者も全ての選手は判らなかった。スミマセン…)

 早めに来て、なるべく前、なるべく左(選手が出入りする方)を陣取るが良し。

 ……名古屋に来る前は、なーんにも収穫がなく、ただ来ただけ…という最悪の事態も想定していた。瑞穂で観れず、練習観れず、サインもらえず…。が、欲しいもの殆ど全てを手に入れることができた、素晴らしい三日間であった。北海道旅行も併せて、まさに人生最高の旅!と言えよう。もうおそらくこんな旅はできまい。でもまた練習は観に行きたいと密かに思っている、「旅は偶然との出会い」知内勢護。


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