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1999.10.10 名古屋グランパスエイト 小倉隆史選手 応援HOMEPAGE 冠者118

キュッ キュッ

1995年 夏 名古屋編 ※五輪編は近日掲載予定
1995年5月、五輪一次予選タイ戦でバックチャージを受け転倒、右ヒザ内側側副靭帯を痛めてから3箇月...小倉隆史said

ヒザの靭帯の損傷は、1〜3までの段階で症状を表すらしいんだけど、ドクターが言うには、2以上までヒザがぐらついていたらしい。回復には2箇月くらいかかる重症と言われていたけど、もう3箇月経った。まだサポーターはしているけど、試合にも出られるようになったし、問題ない。本当は、試合中にヒザに巻いているサポーターも外してしまいたいんだ。やりにくいし、ケガのことはもう気にしたくないからね。試合に出る以上、そういう姿をファンに見せるのは好きじゃないし、周りからケガ人扱いされるのも嫌だしね。

もっと競り合いの場面でも確実に勝てるようにならないといけないね。中盤ではシンプルに、ゴール前ではもっと逞しくトライしていきたい。持っているものを出し惜しみしないでどんどん出して、積極的にプレーしたい。ゴールもしているし、チームも勝っていて、結果は出しているけど、リズムかまだ出てこない。絶えずゴールへ向かってプレーしている感じがもっと欲しい。

ごっつぁんゴールもあったけど、確かに(ニコス※1995後期)開幕3連続ゴールは、狙いを持ってプレーした結果だったから嬉しかった。調子がよくない時だったら、あそこまでゴール前に詰めていけなかったと思う。(復帰初戦の)ゴールで吹っ切れた。最高だったね。ただ、ガンバ戦(第3節)あたりから、暑さに負けて、調子が落ちた。1得点したけど、後半は頭がボーッとして、何をしているのかわからなくなってしまった。それ以降、ベンゲル監督に後半途中で交代させられている。僕がもっと動けば、チームは更に機能する。暑いのはみんな一緒だし。試合途中で交代させられるのは悔しいけど、監督はよく見てるね(笑)。

監督には「もっと自信をもって、思いきりやれ」と言われた。あとは細かい動きの注意。最近は、監督とよく話をする。選手と監督が信頼し合っているから、スムーズに話ができる。監督が基本的にやろうとしていることは「シンプルにプレーしよう!」ということ。だから選手にはわかりやすい。でもシンプルといっても、結構キツいことも言う。例えばFWの僕でも、ボールを取られたら前線で相手を追い回して、最初の段階で守備をするように言われている。あれってマジでキツい。休める間がない。一生懸命やっているつもりなんだけど、監督はまだ物足りないらしい(笑)。僕達FWにとって、守備が安定したことは大きい。ここで1点取ったら、絶対に勝てるという試合展開の計算ができる。精神的に、安心してプレーできるようになった。攻守のバランスがとれてる今、グランパスは強い。だから大変だけど、監督の言う通りにしないわけにはいかないよね(笑)。

元々ゴール前に張ってチャンスを待つタイプではないけど、一番の基本になるのはゴールを狙うこと。そこからプレーの幅を広げていきたい。ピクシー(ストイコビッチ)も、まずゴールを狙うことがあって、そこからパスだからね。その感じが僕にも出てくるともっといいね。相手に対して、何をやってくるかわからないという怖さを与えられるから。ただパスをさばくだけではなくて、相手のバックにチャレンジしていくというか、突っかかって行って、崩してゴール。それが理想なんだけど、まだそれを連続的にするのを、どこかで怖がっているのかもしれない。やれるはずなんだけど“キュッ、キュッ”とできない。どうしてもヒザを気にしてしまう。「なんでもっとガツンといかんのやろう」と思ったりするんだけど、ちょっと前まではヒザがガクガクしてたから、無意識のうちにそうなってしまうみたいだね…。

ケガをするのはもう嫌。今まで何回もケガに悩まされてきたから。でも、ボディーコンタクトを怖がる選手はダメなんだ。ケガばかりしている選手に将来はないけど、相手に向かっていかない選手にも将来はないよね。相手をねじ伏せてでもゴールに向かって行く姿勢がないと。僕のポジションはプレッシャーがキツい場所で、僕はドリブルで突破していくのが好きだから、ケガはつきものなのかもしれない。だけど積極的にゴールに向かって行く姿勢だけは失いたくない。

ゲーム中、ピクシーがボールを取ったら、すぐに僕を見てくれるようになった。そして僕もすぐそれに反応する。今のピクシーのプレーは、高い入場料を払うだけど価値があるよね。5000円なんて安いくらい(笑)。監督がピクシーを信頼していることを本人もよく理解している。だから頑張れる。彼は期待されていることをプレッシャーに感じて萎縮しないで、自分にとってプラスにして、周りの期待をエネルギーに変えることができる。一流のプロだよね。ジョルジーニョが流れるような“曲線的なうまさ”だとすれば、ピクシーは“鋭角的なうまさ”。彼のプレーを僕もできるだけ吸収したいと思っている。

(サントリー※1995前期)チームが負けるのは嫌だけど、正直言うと、(自分自身が欠場している状況で)あんまり勝ち続けられてしまうと「おい、ちょっと待ってくれよ」って気持ちになる(笑)。でも今は落ち着いた気持ちでチームの勝利を喜んでいるよ。僕が試合に出始めても、勝ち続けているからね(笑)。チームの調子がよくて、いいサッカーをして勝っているということは、僕自身にとってもプラス。前向きな気持ちでプレーに集中できるからね。負けが続いて反省の多い試合ばかりだと、余計に疲れるし、余計なことを考え出す。今は本当に、いい緊張感と目標を持ってプレーできているよ。

【fromしりうちせいご】...OGUのコメントは今も昔も基本的には「一緒」であると言って差し支えなかろう。が.....現実問題、ここ最近(その時々における)監督と信頼関係が構築できずにいる今、OGUがプロとして最も楽しく、のびのび溌剌とプレーしていたであろう当時のコメントに、彼の“理想サッカー像”が反映されているような気がしてならない。この後、天皇杯で大活躍→優勝し、負傷し、手術し、復帰し、再手術し、再復帰するも、活躍の機会がなかなかない。しかしながら、彼の理想も夢も、大きく育ち膨らみ続けているに違いない。明日(1999.10.11)のJOMO CUPで、夢の一部を現実に変えて欲しいよぉぉぉぉ〜!!!

情報源 ★ 『Jサッカーグランプリ』ソニー・マガジンズ(1995.10)


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